「ねぇ・・・・・待ってってば・・・・・んっ・・・・」
「あっ・・・・」
時折彼女の口から喘ぎ声が漏れる
「声出したら聞こえちゃうよ?静かにして」
「だって・・・・・んっ・・・・」
隣りの部屋に聞こえているかもしれない
それだけなのにどうしてこんなに興奮するんだろう
「挿れるよ?」
「ゆっくりしてね・・・・・」
びしょびしょになった彼女にゆっくり挿入していく
「うっ・・・・・んっ・・・・」
彼女の顔が歪む
「ごめん。痛い?」
「大丈夫・・・・久しぶりだから・・・・・」
彼女の言葉にさらに興奮が高まる
安宿のベッドはよく軋んだ
静まり返った部屋に押し殺した喘ぎ声とギシギシベッドが鳴る音が響く
「そろそろ帰るね」
明け方になると彼女は自分の家に戻っていった
それからは毎日のようにAと会った
みんなといても2人でいてもいつも一緒
近くの山に登ってみたり
弁当を用意して湖までハイキングしたり
彼女は毎晩のように宿に遊びにきた
スタッフがいなくなる時間を見計らって部屋に忍び込み
声を押し殺しながらセックスをして
明け方帰って行く
ある夜、日本人女子が隣りの部屋にやってきた
軽く挨拶を交わしてぼくたちはまた部屋にこもり
いつものように身体を重ねる
泊まってもない女の子が毎晩遅くにやってくるのを日本人の彼女はどう思ってたんだろう
ぼくたちがヤッているときに隣りの部屋からあえぎ声が聞こえてきたこともあった
ドミではなく反対側の個室
Aとふたりで壁に聞き耳をたてるとスペイン語の会話が聞こえてきた
あとから分かったことだかこの宿のスタッフが女の子を連れこんで勝手に部屋を使っていたらしい
「おれたちとやってること一緒だね」
そう言ってAと笑い合った
知らない街でろくに知らない女の子と過ごす非日常
楽しい時間はあっという間に過ぎていった
そろそろ移動しなきゃいけないな・・・・
彼女との関係もここまでか・・・・・
そう思い始めていた
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